オーガニックの価値を、ソーシャルベネフィットへ。

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「土に生かされる農業」 英国で有機農業を実践する チャールズの畑を視察

この2月に英国にて有機農業研修を受けてきました。今回は、有機農家を視察した際に学んだことをご紹介したいと思います。

田畑は耕す?耕さない?

「不耕起栽培」という言葉を聞いたことはありますか? その字のごとく、不耕起栽培というのは「土を耕さない」手法です。 

この時点で「そんなバカな!」と思った方と「ふーん、あっそう」と聞き流した人と大きくふたつのタイプの方がいらっしゃるかと思いますが、後者のあなたは、現代農業についてかなり疎いと見受けましたので、ちょいと説明を。 

田畑を耕す派のロジック、つまり、田畑を耕す理由ってなんだかご存知ですか? 主に3つあるのですが、いかがでしょうか? 

理由はですね、田畑を耕すことで、 

理由1: 
土を柔らかくし、 農作物の根が張りやすいようにするため。 
また、植物が成長するために水や空気の通り道を作るため。 

理由2: 
肥料や堆肥などが土中に満遍なく行き渡るため(混ぜ込むために耕す) 

理由3: 
雑草を除去したり、雑草を土中に埋めるため 

そのために耕すのは必須だ! と考えられてきました。 

この考え方をことごとく覆し、「耕すな!」と提唱してきた人が世界には何人もいます。日本だと、自然農法のパイオニアである福岡正信が不耕起栽培を提唱しています。 

今回、私が英国の有機農業研修で視察し出会った人もこの不耕起栽培を提唱している業界パイオニア。30年以上、自分の畑を耕さずに有機栽培をするチャールズ・ドウディング(Charles Dowding)という英国人。 

欧州では有名な著者でもあり、私が知っているだけでも11冊出版しています。中には、欧州で有名な英国有機認証団体Soil Associationの代表が序文で素晴らしいコメントをしていたり、多言語にも翻訳されている本もあり、 インスタフォロワー8万人越えで、有機農業界のインフルエンサーとして活躍されています。 

このチャールズのオーガニック・ガーデンを訪問し、彼から直々に学んだことを今日はこちらで簡単にシェアしたいと思います。 

ちなみに、農業には全く興味がない!っていう人も今日は最後まで読んでほしい。なぜなら、本日のお話は技術的な内容ではなく、オーガニックらしいコンセプトのお話をしていくので。ぜひ最後まで読んで頭に入れてくださいね! 

土を耕さない方が収穫量が6%高い!

さて、「田畑を耕すな!」 と言っているチャールズ。 

30年間に及ぶ、自身の畑でのトライ&エラーや実験から見えてきたのはこんなことでした。同じ条件下で、土を耕さない畑と耕した畑を6年間19種類の農作物間で比較した場合、次のようなことがわかったと言います。 

「土を耕さない方が、収穫量が6%高い」 

しかも、耕さない方が、 

・農作物が大きく形が綺麗 
・農作物の色が濃い 
・発生する雑草の量が60%以上少ない 
という結果まで出ています。 

右:無耕起栽培で育ったパースニップ(人参系野菜) 
左:土を耕して育てたパースニップ(人参系野菜) 

この結果を、あなたはどんな風に理解しますか?

チャールズは言います。クワを土に入れるのは、土の中にいる多くの生物に刃物を刺すようなものだ、と。チャールズは、30年この手法を続けてひとつの結論に至ります。 それは、植物を育てることより土を育てることにフォーカスすることの方が何倍も大事。土を育てるというのは、ミミズのような土壌動物や有機物を増やすこと、だと。

有機物は「腐敗物質」とか、欧州では黒い「金」とか言われたりしますが、植物、動物、微生物そのものだったりそれらが分解したものです。有機物の量は、土壌の質の指標のひとつ。有機物が多い土壌は理想の土と言われていて保水性や水はけがよく、土壌動物の餌をたくさん産み出してくれます。 たとえば、ミミズはこの環境下で、人が耕すよりも丹念に土中を掘り起こしてくれます。 

人よりもはるかに土の中にいる生物の方が自然の摂理を理解し、土を確実に肥やしていくことができます。 土が育てば、どんな植物もはつらつと育つ。この状況下でも、雑草も病原体も虫ももちろん発生はするけれど収穫にダメージを与えるほどではないとチャールズは言います。 

チャールズの畑で見つけた菌

自然界では、落ち葉が土壌に溜まり、時間をかけて腐敗することで、有機物となり、土を豊かにする。チャールズは自分の畑では堆肥を落ち葉と同じように扱い、土の上に乗せるだけで、わざと混ぜ込まないんです。ここで耕作したり、種まきの前に機械で耕作すると、かえって、機械の重さで土壌を固くしたり土壌動物たちを傷つけてしまうと言います。 

土にたくさんの命を宿らせる意義

地球上に存在する生きとし生けるものはすべてに存在意義があり、すべてが互いの次の命を繋ぎ支え合っています。だからこそ、みんなが豊かになれば自分の畑も豊かになる。みんなが幸せになるよう土にたくさんの命を宿らせよう。そうチャールズは考えるようになったのです。 

チャールズのオーガニック・ガーデンはこのオーガニックな考え方を体現した素晴らしい畑で、私もたくさんの インスピレーションをいただきました。 

あなたもぜひ近いうちに、有機農家さんからお話を聞きにいく機会を作ってくださいね! 

オーガニックの奥深さ、その素晴らしさや真髄をもっともっと理解できるようになりますよ! 

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