BASICS
オーガニックとは何か ― IFOAMの4原則から読み解く
「オーガニック=農薬を使っていない野菜」。そう理解している方は少なくありません。けれど、それはオーガニックのごく一部にすぎません。 オーガニックとは本来、関わるすべての命が幸せでいられることを目指す「仕組み」のこと。その本質を、有機農業運動の歴史と、国際的な指針であるIFOAMの4原則から読み解きます。
01オーガニックは「モノ」ではなく「仕組み」
多くの人は、オーガニックを「野菜」や「コスメ」といった商品カテゴリーとして捉えています。けれど、それは入り口にすぎません。オーガニックの本質は、生産から流通、消費、そして廃棄にいたるまで、そのプロセスに関わるすべての命が幸せでいられることを目指す「仕組み」です。
土の中の微生物、畑で働く生産者、それを口にする私たち、そして次の世代の環境まで。ひとつの野菜の裏側には、長い連なりがあります。その連なり全体を健やかに保とうとする設計思想こそが、オーガニックなのです。
オーガニックとは、命のつながり全体を健やかに保とうとする「設計思想」です。
021920年代から続く、有機農業運動の歴史
オーガニックは、近年のトレンドとして生まれたものではありません。有機農業運動の源流は1920年代にさかのぼります。化学肥料や化学農薬に頼る農業が広がるなかで、土壌の健康や生態系の循環を大切にしようとする思想と実践が、ヨーロッパを中心に育まれてきました。
百年近い時間をかけて積み重ねられてきたこの運動は、やがて世界共通の指針を必要とするようになります。そこで大きな役割を担ってきたのが、国際的な連盟であるIFOAMです。
03IFOAMが掲げる、オーガニックの4原則
IFOAM – Organics International(国際有機農業運動連盟/本部:ドイツ)は、世界の有機農業運動をつなぐ国際的な連盟です。国連機関ではなく、独立した国際NGO・連盟として、オーガニックのあるべき姿を示してきました。その根底にあるのが、次の4つの原則です。
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健康の原則HEALTH
土壌・植物・動物・人・地球の健康は、ひとつながりであり、切り離せない――という考え方。土が健やかであることが、めぐりめぐって人の健康につながります。
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生態の原則ECOLOGY
自然の生態系と循環に寄り添い、それを損なわずに営むこと。外から資源を投入し続けるのではなく、生きたシステムの循環を活かします。
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公正の原則FAIRNESS
環境と、関わるすべての人・生きものとの関係において、公正であること。生産者が正当に報われることも、この原則の大切な一部です。
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配慮の原則CARE
いまの世代と次の世代、そして環境の健康を守るために、責任と予防的な配慮をもって行動すること。
この4原則を並べてみると、オーガニックが「農薬の有無」だけの話ではないことがはっきりします。健康・生態・公正・配慮――この4つがそろってはじめて、オーガニックという仕組みが成り立つのです。
04だからこそ、「学ぶ」ことに意味がある
オーガニックがひとつの「仕組み」であり「思想」であるなら、それは表面的な知識だけでは語りきれません。なぜこの原料なのか、その背景に誰がいて、選ぶことが社会にどうつながるのか。全体像を理解してはじめて、オーガニックは自分の言葉になります。
IOBが教育を事業の中心に置いているのは、そのためです。ひとりが本質を理解し、自分の場所で語り出す。その積み重ねが、暮らしを変え、家族を変え、やがて社会を変えていく――私たちはそう信じています。
