「教えて!オーガニックQ&A」では、IOB代表・オーガニック専門家レムケなつこが、オーガニックに関する様々な質問にお答えしています。
今回のテーマは、食中毒や寄生虫について。
オーガニックQ&A: オーガニック食材に寄生虫などの心配はありますか?中米在住で、日々寄生虫や食中毒が心配です。
オーガニック食材に寄生虫などの心配はありますか? 私は現在メキシコ在住なのですが、 ここメキシコでは、「水・土壌が悪いから野菜に寄生虫がいる。 または、バクテリアなどに汚染されて食中毒の可能性がある」「生野菜を食べるときは消毒をした方がいい(スーパーに野菜用の消毒液が売っています)」「オーガニック食材は消毒しなくても大丈夫。」という噂があります。
実のところ確かな情報を知っている方はおらず、日々、寄生虫や食中毒の心配をしながら生活しています。
食事は毎日のことですからこのような心配ごとはきちんと解決しておきたいですよね。
実は、私も仕事でメキシコに住んでいたことがあり、その際にオフィス近くのグリーンスムージーを飲んでからお腹に虫をかってしまったことがあります。
食べ物を受け付けなくなってしまい、1週間で10キロ痩せ、ベッドから起き上がれない・・・ 1か月間丸々何もできないという日々を過ごしました。 ですから、 お気持ちがすごくわかります。
まず、結論から言うと、残念ながらオーガニック食材だからといって安全とは言い切れません。 そして、メキシコ在住ではなくても、食中毒や寄生虫に侵される可能性は、誰にでもどこにでもあります。
食中毒を起こすのは病原体ですが、一言で病原体といっても様々な種類が存在し(細菌、寄生虫、ウィルスなど)、生産・加工・保管・流通・消費者の手に渡ってからなど、病原体が発生するタイミングも異なります。
また、病原体が発生するかどうかは、農作物自体の品種やその個体が持つ病原体に対する耐性に依存していたり、その年の天候や湿気などに左右されたりします。さらに、どのような水質・土壌の質のもと作られているのかで決まったり、使用されている堆肥の状態・使用状況に影響を受けたりなど、生産者が変われば管理方法も異なり、様々な要因によって結果は変わってきます。
ただし傾向としては、オーガニック食品のほうがより安全だと捉えていいと思います。
その理由は2つあります。
理由1:質問者さんのように、オーガニック食品を買う人は、食中毒や狂牛病などのフードスキャンダルについてよりシビアに考えている消費者が多く、長期的にお客さんと信頼関係を 築いて行きたい生産者にとっても絶対に無視できない要素だから。
理由2:有機農業と慣行農業の間で病原体の数に差はないという論文が多い中、最新の研究論文では、有機農業がより安全だと結論づけているものもあります。IOBオンラインサロン内では、実際に論文もご覧いただけますが、今回ご紹介したのは、ブラジルで行われた比較研究です。葉物野菜に存在する細菌、酵母菌、糸状菌の数が慣行農業でできたもののほうが有機農業でできたものよりも多いという結論を導き出してます。
では、どんなことができるか対応策の例をご紹介します。
- 安全面で信頼できる農家から直接買う
たとえば、 食品衛生管理の国際基準HACCP(ハザード分析を行いながら食品安全管理を行う手法) を導入する生産者、その他食の安全面にこだわりを持つ農家や食品店、田畑や工場を一般公開している生産者、水質などが安全だと言われている土地の生産者などから購入する。 メキシコ全体が汚染が進んでいるというのであればあえて輸入物を探すのも一つの手段になるかもしれません。ちなみに、 北米だと、肉類はHACCPが義務となっているカナダがおすすめされるのをよく目にします。 - 調理を工夫する
自宅で料理する場合は、疑わしいと思うものはできるだけ熱湯を通す、お酢やレモンなどをかけて食べる、塩や砂糖で漬けるなどする。これらの手法を組み合わせる。 これらがすべてではないですが、一部の病原体が苦手とする、熱・酸・浸透圧を利用するということです。外食では生ものはできるだけ避ける。
上記の対応策は、私がまだメキシコ在住だったとして、食中毒や寄生虫について対応するとしたらこんなことをするかな、と想像して回答させていただきました。
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