「教えて!オーガニックQ&A」では、IOB代表・オーガニック専門家レムケなつこが、オーガニックに関する様々な質問にお答えしています。

今回のテーマは、 オーガニック食品にも残留農薬が検出されるかどうかについて。

オーガニックQ&A:家畜自体が食べている飼料が有機ではない場合、糞尿にも農薬が出てくるのではないのでしょうか?それはオーガニックと言えますか?

 

質問者:30代女性 I.M.さん
(オーガニック規格の講座内で、農作物栽培時に) 推奨される農作業の中で、「家畜の糞尿」を使うとあるのですが、その家畜自体が食べている飼料が有機ではない場合、糞尿にも農薬が出てくるのではないのでしょうか?その場合、それはオーガニックといえるのでしょうか?

 

回答者: レムケなつこ
当校のオーガニック専門家資格オンラインコースではまず「オーガニックは、『プロセス』である」ということを一番初めに学んでいただきますが、このご質問はその本質をしっかり捉えたとても鋭いご質問です!
では、回答していきますね。

 

今回のご質問には大事なポイントが二つあります。

一つ目は、有機家畜では、原則オーガニックの飼料を与える必要があります。たとえば牛なら基本3年間、農薬や化学肥料を一切使わない草地で育てて初めて有機畜産の認定を受けることができます。そのため餌が有機ではないという時点で、その家畜は原則オーガニックではなくなります。

二つ目のポイントは、「肥料として使用される家畜の糞尿にも農薬が出てくる」というところ。これは非常に素晴らしいご指摘です。

実は、オーガニック認証を取得した商品でも農薬が残留していて検出されることがあります。その理由は様々ですが、隣の農家が農薬を撒いたものが風に飛ばされて自身の有機畑が汚染するというのは実際にあるようです。

地球のすべてのものは繋がっています。だから外部からの侵入を100%阻止することは不可能なんですね。 たとえば、土や水や大気を介して、有機生産者の土地にも農薬などが侵入し蓄積していきます。

オーガニックは、製品がどう作られたかという「プロセス」です。極端なことを言うと、長らくこの世界では最終的に出来上がった食品の質がどうであれ、オーガニック食品は生産過程をきちんと守っていればそれで十分という理解のもと、一部の消費者や生産者、有機農業運動に関わる人たちから支持されてきました。

しかし、それでは、より多くの消費者の信頼を獲得することができない。有機食品がメインストリーム化するためにも、慣行農法と有機農法でできた食品の品質の比較調査研究が必要だという声が大きくなっていきます。

欧州ではこのような背景から、近年慣行農法と有機農法でできた食品の品質の違いが広く研究されるようになりました。比較調査では慣行と有機では大きな違いが出ることがわかっています。 その学術的根拠や詳しい解説は、当校オーガニックスクール無料メール講座内で公開しています。今なら無料動画も配信しておりますので、ぜひこの機会にご登録してみてください。

正しいオーガニックの知識を身につけたいあなたのお役に立てますように。

最先端ドイツのオーガニック無料メール講座

日本では手に入らないオーガニック情報

この記事が気に入ったら
IOBをフォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事