オーストリア人の人智哲学者でシュタイナー教育でも有名なルドルフ・シュタイナーが提唱した農法が、バイオダイナミック農法です。世界に存在する確立した有機農法の中で最も古い農法として知られています。
バイオダイナミック農法を基準として管理しているのがデメター認証(demeter)です。
バイオダイナミック農法の特徴としては、農事歴(バイオダイナミックカレンダー)に基づいて作業をしていきます。月の満ち欠けが人間の生死に深く影響を与えるように、天体の動きが植物の成長にも影響を及ぼすと考えられています。
バイオダイナミック農法では、動物の排泄物や植物の花、クリスタルなどの鉱物を一定期間土の中に埋めて、その後掘り起こして水で希釈したものを堆肥として撒きます。その堆肥が土壌に栄養を与え、自然災害にも負けない強い作物に成長し、取れた作物は保存期間も長くなります。
バイオダイナミック農法は、土を枯渇させることなく土を作る手助けをし、土や水の汚染を防いでもいるのです。殺虫剤に汚染された農場が、バイオダイナミック農法で蘇ったという報告もあります。すべての生き物にとって優しいバイオダイナミック農法を始めて8年で、たくさんの鳥や動植物が戻ってきたという例もあります。
参考資料:
レムケなつこ著「バイオダイナミック有機農法とは?日本では入手困難な情報を本場ドイツから公開!」http://iob.bio/journal/biodynamic-farming/
バイオダイナミック農業の創造 トゥラウガー・グロー、スティーヴン・マックファデン著
兵庫県有機農業研究会訳
文=鈴木結子