【受講生の声】ー農業を通じて全ての命が幸せになる仕組みを創っていきたいー相澤（小林）顕子さん（起業家　業種：６次産業化プロデューサー）

ドイツIOBオーガニックスクール受講生の声　Vol.30　相澤（小林）顕子　さん

名前：相澤（小林）顕子
職業：６次産業化プロデューサー／SOFIX診断士
起業の有無：起業中
修了コース：ドイツIOB認定オーガニック専門家資格オンラインコース
年齢：55 - 64歳
居住地：宮城県

1. 現在はどのようなお仕事をしていますか？

土壌中の微生物数および微生物の活性度合いを数値化するSOFIX（土壌肥沃度指標）技術を用いて、分析データに基づいた土づくりを行い「再現性と収益性」のある有機農業を支援しています。

具体的には、地域内で調達できる有機資材を検討し成分を分析、さらに有機資材を投入する土壌分析を行います。その分析結果から最適な資材を選定し必要量を算出する「施肥設計」を作り提案し、土壌を改良していく仕事です。
また、そこで生産される農産物の販売〜地域内での消費のスキーム作りを行っています。特に今は、学校給食への食材提供につなげることを目指し活動しています。

2. なぜオーガニックに関心を持ったのですか？

経済産業省の補助金を得て各地事業所から排出される食品残渣（濾過(ろか)をした後に残ったかす）を堆肥化し、その地域の土壌を肥沃化する実証事業に携わりました。堆肥化はうまくいったところもありましたが、水分量が多く腐敗した事例もありました。
この実証事業を通して、地域内で利用できる有機資材がたくさんあることを知り、有機農業やオーガニックのことをもっと知りたいと思うようになりました。

3. お仕事や毎日の生活の中で、オーガニックに関係した印象深い体験はありますか？

前述の実証事業の中で、その土地の構成を調べるためにいくつかの対象地区で穴を深く掘ったのですが、ミミズを見たのはそのうち1箇所だけで、しかも数匹しか見つけることができませんでした。
ミミズも生育できないような土壌が多いことに危機感を感じたのを強く覚えています。

4. なぜオーガニックを学ぼうと思ったのですか？

栽培技法の研修でトウモロコシ栽培の実習をした際、ガの幼虫の食害を防ぐために雌花に直接農薬の粒を数粒ずつ入れていく作業を行いました。その時、ゴーグルと特殊なマスクを装着し、「素肌は出さないように」と注意を受けて作業したのですが、ちょっと怖いなと感じました。
この体験から、作る人、食べる人、そして環境にももっと安全な農業の方がいいのではと考えるようになり、オーガニックを学ぼうと思いました。

5. その中でドイツIOBオーガニックスクールを選んだのはなぜですか？

国内の大学や専門機関でオーガニックが学べるところを探しましたがカリキュラムがなく、また、書籍についても観念的なものや経験をまとめただけのものがほとんどでした。
一方で、ドイツIOBオーガニックスクールは系統立って学べるところだと感じ、根拠に基づいた知識を得たいと思い選びました。

6. 受講した感想をお聞かせください。

世界の情勢や地球規模での土壌劣化の実情を知り、とても衝撃を受けたと同時に、欧米での農薬や化学肥料利用規制強化の動きをみて、日本国内の認識の甘さに危機感を覚えました。
国内で規制強化が進まないのであれば、それらを利用しなくとも営農が可能であること、そして収益性も担保できることを実際に示していかなくてはという思いが強くなりました。

7. 一番印象に残った内容とその理由をお聞かせください。

「オーガニックとは人、動物、植物全てが幸せになる仕組み」というオーガニックの定義が一番印象に残っています。
農業は環境にも大きな影響を与える産業です。農業を通じて全ての命が幸せになる仕組みを創っていきたいと思っています。

8. 今後、学んだことをどのように生かしていきますか？

現在行っている、地域内で調達できる有機資材を活用した地域内循環農業の仕組みづくりにプラスして、今後、環境を再生していく農業も取り入れていく予定です。
それと並行して、IOBで学んだことを生かして、消費者の方にこうした取り組みの価値を理解してもらうための勉強会や情報発信を行っていこうと考えています。

9. これからドイツIOBオーガニックスクールへの入学を考えている方へのメッセージをお願いします。

正しい知識を得ることによって、正しい判断ができると思います。
研究や調査に基づいたエビデンスのある学びを得ることは、より良き未来を選択するためには必要不可欠です。
ともに学び、未来を選択し、次の世代へと手渡していきましょう！

相澤（小林）顕子　さん　事業紹介

６次産業化プロデューサー／SOFIX診断士
場所：宮城県仙台市

活動内容：
「幸せ」とは何だと思いますか？
健康で、人との素敵なつながりがあって、社会の一員として何か貢献できていることではないかと考えています。
その中でも幸せの一番基礎となる健康のために、私は「食」が大切で、それを支える「農業」はとても大切な産業だと考えています。さらに農業は環境にも大きな影響を与える産業でもあります。自然の摂理に従って、環境も再生していくことが可能な農業を目指し、私たちが健康で幸せにそして平和に暮らせる社会を創り、次の世代へと手渡していきたいと活動しています。

Webサイト：https://www.6ji-ka.com/

◆資格について
SOFIX診断士
一般社団法人SOFIX農業推進機構
https://sofixagri.com/