「教えて!オーガニックQ&A」では、IOB代表・オーガニック専門家レムケなつこが、オーガニックに関する様々な質問にお答えしています。

今回のテーマは、GM*コットンについて。

*GMとは、英語の“Genetically Modified”(遺伝子組み換えされた)という意味。

オーガニックQ&A:日本で流通されている安価な綿製品について教えてください。また、GMコットンの健康被害は?

 

質問者: 50代女性 Y.O.さん
遺伝子組み換えについて、綿もGM作物ですが、種は油に、綿花の部分はコットン(衣服)になると思うのですが、日本の市場において、とっても安く販売されている衣服には、GMO*の綿が使用されていると考えてもいいでしょうか?自分でGMコットンの衣服を着たら、どんな健康被害があるのでしょうか?

*GMOとは、Genetically Modified Organism(遺伝子組換え作物)の略称。

 

回答者: レムケなつこ

食の「安心・安全」の中でもよく取り上げられる「遺伝子組み換え」について、ご質問ありがとうございます。

これについては、当校のオーガニック専門家資格オンラインコース内でしっかり学んでいただくテーマですが、今回の質問は応用編となる素晴らしいものです。

では、早速回答してまいります。

 

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の報告では、2017年世界で栽培されたコットン全体の80%が遺伝子組み換えされたものだったと報告しています。また、綿花専門家シモン・フェリンゴ氏(Simon Ferringo)は、英国市場に出回っているコットン製品の75%は遺伝子組み換えされた綿花であると推測しています。

日本はGM輸入大国No.1であることから(国際アグリバイオ事業団ISAAA年次報告2017による)、上記の英国と同様のレベルかそれ以上のGMコットンが出回っていることもあるかもしれません。よって、おっしゃる通り、格安の衣類はGMOである可能性は比較的高いのではないでしょうか。

また、GMコットンを肌に身につけることで起きうる健康被害ですが、ここでは、肌の健康に特化して2つの学術論文の結果をご紹介します。

  1. 生産現場からの報告 インドでは、GMコットン収穫時に肌に焼けるような痛みを覚える生産者がいるという報告や実際にアレルギー感作が生じる可能性があるという報告があります。
  2. コットン製品内の残留農薬 遺伝子組み換え農作物は農薬依存の状態を作るため、GMコットンにはより多くの残留農薬が検出されるのではないかと考えられています。遺伝子組み換え農作物とよくセットで使用される除草剤の主成分がグリホサートです。

 

そこで、ここではコットンとグリホサートに関する論文についてご紹介します。

アルゼンチンのラ・プラタ大学の教授らが行った調査によると、 コットンを使用した衣類、日用品といった製品のうち85%から農薬成分グリホサートが検出されています。

グリホサートは、米モンサント社製の除草剤ラウンドアップで使用されている強力な除草剤としてよく知られています。米ワシントン大学の研究者らは、グリホサートにさらされるとがんのリスクが41%増大すると発表し、世界保健機関(WHO)でもグリホサートを「人に対して恐らく発がん性がある」成分として分類しています。

米大手メディアBloombergによると、米国ではグリホサート系合成農薬に暴露し続けた結果がんを発症したとして、生産者や消費者が相次いでモンサント社(現バイエル社)を訴訟。2019年10月時点で開発元モンサント社への民事訴訟が4万件以上起きていると言います。

アトピーやアレルギー持ちの人が肌に優しいと思っていたコットン衣類を着ているはずなのに、湿疹を発症したりかゆみを覚えたりする理由がここにあると考えている専門家もいます。

 

現代の消費者は意識や視座が高く、「信じられる情報」をシビアに求め取捨選択しており、消費者の目はこれからますます厳しくなると言われています。
だからこそ今、お客様を納得させられるエビデンスのある知識や他社との差別化につながる知識の取得に取り組むことが大切です。

オーガニックを『今』きちんと武器にしていくことが多くの可能性への扉を開く鍵になっていきます。

 

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