日本で考えられているオーガニックとは・・・
「肌に優しい」「安全安心」「無農薬・ケミカルフリー」

このようなイメージを持っている人が多いです。しかし、本当のオーガニックは、そうではありません

本記事では、「オーガニックについて実はよく知らない」「なんとなくしか理解できていない」という方にも分かりやすく簡単に、オーガニックの本来の意味を解説しました。

オーガニックは「商品」ではなく「仕組み」

最先端ヨーロッパで考えられているオーガニックとは、「商品」といった単位ではなく「仕組み」です。

例えば、目の前にオーガニックとそうではない農法で作られたりんごがあるとしましょう。その違いはりんごの見た目でわかるでしょうか?

実は、オーガニックかどうかは視覚ではわかりません。

 

オーガニックりんごpixabay

 

では、研究所でりんごの成分分析をすればわかるでしょうか?

いえ。それでも、オーガニックかどうかはわかりません。なぜなら、オーガニック特有の絶対的な品質というのは存在せず、オーガニックとは、「どう作られたか」というプロセス=仕組みだからです。

 

オーガニック専門家レムケなつこ実際にドイツの食品研究所でオーガニックの成分分析を行っていた著者

日本とは異なる海外の「オーガニック」

農作業イメージpixabay

 

1920年代、合成農薬や化学肥料に依存する近代農業が始まりました。それに異を唱えた人々や組織が集い、1960年代にはオーガニックムーブメント(有機農業運動)と言われる社会運動が欧州で興こりました。

この社会運動の最たる成果として1972年に実を結んだのが、国際機関IFOAM(国際有機農業運動連盟)の設立です。現在では、オーガニックセクターの国連と呼ばれ、EUレベルで政策提言やロビー活動を行うなど、業界では大きな影響力を持つ組織に成長しました。

そのIFOAMが策定したオーガニックの定義がこちらです。

有機農業は、土壌・自然生態系・人々の健康を持続させる農業生産システムである。それは、地域の自然生態系の営み、生物多様性と循環に根差すものであり、これに悪影響を及ぼす投入物の使用を避けて行われる。有機農業は、伝統と革新と科学を結び付け、自然環境と共生してその恵みを分かち合い、そして、関係するすべての生物と人間の間に公正な関係を築くと共に生命(いのち)・生活(くらし)の質を高める

オーガニックの本来の意味とは

親子iStock

 

このように、オーガニック製品が生まれる過程を想像してみてください。そこには、人、動物、植物、微生物といった地球上の生きとし生けるものや、土、水、大気といった自然環境などの無数の物質が関わっています。

オーガニック商品が私たちの手元に届くには、「生産」「流通」「消費」などといった営みがありますが、ここに関わるものすべてが幸せになれる仕組みを提供するのが本来のオーガニックの姿です。

「オーガニック」は社会課題を解決する最強のツール

pixabay

 

オーガニックの一側面が強調され広まる日本とは異なり、欧州ではオーガニックを多様な社会課題を解決する最強のツールと捉え、市民や行政が中心となって推進してきた歴史があります。

近年、世界の研究者らの報告により、オーガニックは、地球規模での大問題の解決ツールとなることが明らかにされています。例えば、気候変動、生物多様性の喪失、環境汚染、資源枯渇、健康被害、人権侵害、貧困、格差、飢餓など、枚挙にいとまがありません。

EUは2019年末に「欧州グリーンディール」と呼ばれる環境政策を発表しました。その中核となるのが「農場から食卓(Farm to Fork)」と呼ばれるサステナブルな食システムの推進戦略です。

実は、この政策目標達成の中心的ツールに据えられているのが「オーガニック」。欧州では、オーガニックの推進を通じて、公平で健康な環境配慮型の社会が創造できると考えられているのです。

 

 


日本では手に入らないオーガニック情報

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