パーム油とは、「アブラヤシ」と呼ばれる木の実を絞った植物油のことです。
そのパーム油生産のために、マレーシアやインドネシアなどの熱帯雨林を伐採し、それが温室効果ガスの大量排出になったり、そこに住む生物たちの住処を奪ってしまったり、地域住民との軋轢や労働者の人権侵害に繋がったりと、多くの環境・社会課題を生み出しています。それを、パーム油問題といいます。
私たちが身近に口にしている加工食品のほとんどには、パーム油が使われています。パンやシリアル、インスタントラーメン、アイスクリーム、チョコレートなど、私たちが日頃から食べている食品の多くに使われています。また、どこの家庭でも見かける洗剤や歯磨き粉、シャンプーなどにも含まれています。
パーム油は、インドネシアが世界最大の生産国ですが、そのパーム油の産地であるインドネシアの熱帯雨林では森林伐採が進み、元々生息していた野生動物が住処を追われています。また、森林の伐採に伴う温室効果ガスの発生も深刻な環境問題を引き起こしています。さらには、農園での作業も劣悪な労働環境のもと行われ、大人も子どもも不当に働かされていることや、森林火災の発生で温室効果ガスが大量発生していることなど、様々な環境・社会課題が山積しています。
参考資料:
パーム油と森林 https://www.foejapan.org/forest/palm/index.html
パーム油とは? https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/2484.html
3分でわかるパーム油 http://www.bctj.jp/3minutes-palmoil/
文=鈴木結子