「教えて!オーガニックQ&A」では、IOB代表・オーガニック専門家レムケなつこが、オーガニックに関する様々な質問にお答えしています。
今回のテーマは、デメター認証商品の製法について。
オーガニックQ&A:デメター認証の商品は原材料以外にも独自の規定があるのでしょうか?
ドイツなど欧州ではスーパーなどでも、かなり頻繁に野菜、チーズ、パン、 そして加工食品やコスメに至るまで多くのdemeter認証商品を身近に手にとれ、その浸透力にとても驚いたのですが、 加工している製品でdemeter認証のものというのは、原材料以外にもdemeter独自の規定があるものなのでしょうか?
たとえば、友人がdemeter認証のパン屋さんで働いていて、そこの現場を手伝わせていただいたのですが、使っている材料はすべてdemeter認証のものまたは、オーガニックのものだったのですが、 作り方に関しては普通のパン屋さんと変わりがないと話していました。
ですので、スーパーや販売店で並ぶ加工品も、製法自体は通常と変わりなく、原材料だけがバイオダイナミック農法で作られたものなのかな、と疑問に思いました。
デメター認証というのは日本でも認知度が上がってきていますが、ただ概要を押さえるだけではなく、それをこうやって自らの専門や興味に落とし込むことでぐんと知識に深みが出ます。このような視野を広げた質問は他の読者さんも興味深く読んでいると思うので、ぜひお互いの知識の幅を広げる機会として、質問の場を利用していただけたらと思います。
では、回答していきますね。
まず、結論を言いますと、 原材料以外にも加工方法の独自の規定、基準があります。
たとえば、ベイカリー商品の場合、
- 禁止された製粉方法
- 製粉時に使用できる道具の決まり
- 発酵時の冷却の可能性
(許可されているが断る必要あり)
などがあります。
もっと具体的なところでご紹介すると、
- 使用する冷凍フルーツを解凍する際にレンジの使用は不可
- アルミでできた使い捨てパン型の使用は不可
- パン型は鉄、ステンレス、ガラス製のみ使用可能
などです。
さらに詳しく製粉方法と道具について、規格に記載されているのは以下の通りになります。
ハンマーミル(衝撃粉砕機の一種) の使用は禁止。
理由は、回転速度が高いため、温度の影響を受け品質が低下する可能性があるから。
使用できるのは、天然石または人工石で作られた粉砕機、またはスチールローラーのみとなっています。製粉の道具を新しく買う必要がある場合おすすめなのは、石臼です。
今回のご質問者さんのように、デメター認証商品の製造過程に触れる機会がある人は、ぜひその方法や道具などにも注目してください。デメター認証がなぜ世界で最も厳しい有機基準としてオーガニック業界で一目を置かれているのか、実践をもって理解できるはずです。
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