日本では農薬に関する情報がまだ少なく、何に気をつけて食材を選べばよいのか分からず不安を抱えている方も少なくありません。

今回の記事ではオーガニック先進国であるアメリカとイギリスで発表された「ダーティー・ダズン(汚れた12品)」、「クリーン・フィフティーン(きれいな15品)」というランキングをもとに、「残留農薬の多い果物・野菜」を紹介します。

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米国と英国が発表「残留農薬が最多の食材」

残留農薬が最多の食材

「ダーティー・ダズン(汚れた12品)」は、果物と野菜の残留農薬を調べて検出された割合が高い順に並べた12品目のランキングです。

アメリカでは、非営利団体Environmental Working Group(以下、EWG)が「アメリカ農務省(USDA)」の分析データを元にリスト化したものを毎年春に発表しています。また、イギリスでも非営利団体Pesticide Action Network UK(以下、PAN UK)が、英国政府による2018年~2020年にわたる3年間のデータを分析しまとめたものを2021年9月に公表しています。

2国で2021年に発表されたランキングは以下のとおりです。

【アメリカ】残留農薬が多い「最も汚れた」青果ランキング
1. いちご
2. ほうれん草
3. ケール
4. ネクタリン
5. りんご
6. ぶどう
7. さくらんぼ
8. 桃
9. 洋梨
10. 唐辛子
11. セロリ
12. トマト出典:EWG2021

 

【イギリス】残留農薬が多い「最も汚れた」青果ランキング
1. グレープフルーツ
2. 柔らかい柑橘類(みかん等)
3. いちご
4. オレンジ
5. 干しぶどう(レーズン等)
6. ハーブ
7. パック詰めされたサラダ
8. ぶどう
9. レモン
10. 洋梨
11. ネクタリン&桃
12. ほうれん草出典:PAN UK2021

PAN UKによると、「汚れた12品」の農作物からは計122種類にも及ぶ農薬が検出されました。そのうち61%は、非常に有害な農薬を意味するHHPs(Highly Hazardous Pesticides)と呼ばれる物質です。国連は、このHHPsを「人の健康と環境に極めて有害な農薬である」と定めており、その多くはがん、生殖障害、発達障害、呼吸器系の障害などさまざまな健康問題を引き起こすことが世界中で報告されています。

しかし、イギリスの「汚れた12品」で検出された農薬濃度は、国の法律で定められた上限値内に実際は収まっているのです。そのため一見安全のように思われますが、農薬成分の組み合わせによって毒性が強まる『複合毒性』に関しては吟味されることなく基準が作成されています。つまり、一つ一つの農薬の濃度は基準内でもそれが結びつくことで基準値を超える毒性になりうるということです。この農薬成分における複合毒性の危険性は近年、専門家の間で懸念を呼んでいます。

残留農薬の少ない「クリーン・フィフティーン(きれいな15品)」

残留農薬の少ない「クリーン・フィフティーン(きれいな15品)」

米EWGは、「汚れた12品」と対照的な「クリーン・フィフティーン(きれいな15品)」というランキングも毎年発表しています。これは、一般的な農法で作られたにもかかわらず、残留農薬の検出割合が限りなく低い野菜や果物のランキングで、2021年の結果は下記のとおりです。

【アメリカ】残留農薬が少ない『最もきれいな』青果ランキング
1. アボカド
2. とうもろこし
3. パイナップル
4. 玉ねぎ
5. パパイヤ
6. 冷凍スイートピー(和名:ジャコウエンドウ豆)
7. なす
8. アスパラガス
9. ブロッコリー
10. キャベツ
11. キウイ
12. カリフラワー
13. マッシュルーム
14. ハニーデューメロン
15. カンタロープメロン出典:EWG2021

「汚れた12品」や「きれいな15品」は、農薬を気にする消費者の間で買い物の際にかしこい選択をする基準となるため好評です。「きれいな15品」のリストに含まれた食材であればオーガニック食材が高額な場合や入手できない場合でも安心して購入できます。アメリカではこのリストを片手に買い物をする人もいるといい、毎年最新データが入手できるのを心待ちにしている消費者が少なくないそうです。

「ダーティー・ダズン(汚れた12品)」の注意すべきポイント

「ダーティー・ダズン(汚れた12品)」の注意すべきポイント

ただし、この「ダーティー・ダズン(汚れた12品)」リストを参照する際に注意すべきポイントが2つあります。

1,穀物などの農作物は含まれていない

このリストは野菜や果物に限ったランキングのため、穀物などの農作物は含まれていません。世界各地で大麦、オート麦、小麦などの加工食品からは残留農薬が検出されてきました。2019年にイギリスで行われた調査では対象になったオート麦の94%に農薬が残留していたという報告があります。

穀物から検出される残留農薬で危険視されているのは、「グリホサート」と呼ばれる農薬成分です。グリホサートは世界保健機関(WHO)が「発がん性の可能性が高い」農薬成分に分類しており、近年使用禁止に踏み切る国も出てきています。

2,ランキングの結果が他の国に必ずしも当てはまるわけではない

これらのデータはイギリスとアメリカで分析されたものであるということです。農薬規制は国によって異なるため、残留農薬が多い食材のランキング結果が他の国に必ずしも当てはまるわけではありません。

例えば、イギリスとアメリカの「汚れた12品」の中には共通する野菜や果物があり、いちご、ほうれん草、ネクタリン、桃、ぶどう、洋梨においては両国ともに残留農薬が多く検出されています。しかし日本で同じ結果が出るとは限らず、実際のところ日本のどの農作物に残留農薬が多いかはわからないのが現状です。

野菜や果物の残留農薬

PAN UKのスポークスマンによると、現代の農薬成分の多くは植物に浸透する性質をもつため、植物の組織全体に広まることがわかっています。残留農薬は野菜や果物の内部にも浸透していることが多く、皮などの表面を洗っても完全に取り除くことはできません。

PAN UKでも推奨されているように、農薬の暴露を避けるには有機食材を摂るのが最も効果的です。不安を感じる食材からでも有機食材に変えていくことが、自分や大事な人の健康を守ることにつながります。

日本では手に入らないオーガニック情報

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