ファストファッションとは、アパレルメーカーが低価格で最先端の流行を取り入れたファッションを提供することや、それを提供する「生産・流通・小売り」の形態のことを言います。また、そのようなブランドのことを指します。
ファスト(fast)とは、「早い」という意味です。アパレルメーカーがファストフードのように「早くて・安く」衣類を提供することからそのように呼ばれます。流行をいち早く取り入れた衣類を手軽に低価格で提供すること、それらを短期間で売り切ることです。
90年代にハイストリートショップがファッションショーを真似て流行を取り入れ、安く・早く提供したことに始まります。その結果、流行のサイクルがシーズンごとから、月ごとになり、さらに週ごとになるなど、どんどん需要が増加し、品質は落ちていきました。
その結果、安くて流行りの衣類をたくさん買う→品質が決していいとは言えないため、長く持たない→頻繁に購入するようになる→物を大切にしようという気持ちも薄れ、廃棄も増えていく、というサイクルになりました。
また、安価な商品の裏では低賃金で劣悪な条件の下、働いている途上国の人たちが大勢いることも課題となっています。
このように、近年ファストファッションは、様々な環境・社会課題を生み出す原因にもなっています。こういった背景から、国内外で多くのアパレルメーカーがファストファッションからサステナブルな取り組みへ移行し始めています。
参考資料:
アレックス・ジェイムス出演「スローイング・ダウン・ファストファッション」2016(映画)
文=鈴木結子