オーガニック生活を目指す私たちが選ぶナチュラルな洗浄剤

今世界中でオーガニックがブームになっていますが、洗濯洗剤や食器洗い洗剤、シャンプー&リンスにも「無添加」「ナチュラル」「オーガニック」などを謳った商品が目立つようになってきました。ですが、実はオーガニック成分はほとんど入っていない製品もあることは、IOBジャーナル読者のみなさんならきっとご存じですよね。では、オーガニック生活を目指す私たちが選ぶ洗浄剤にはどんな物が挙げられるでしょう。

例えば、自然原料で作られた石けんや重曹、マグネシウムの粒を洗浄剤代わりにされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。いずれも、肌や環境に負担をかけにくく、手軽に取り入れることのできる洗浄剤として親しまれていますね。

今回は、これらよりさらにナチュラルな洗浄剤として「ソープナッツ」をご紹介したいと思います。

木の実でお洗濯?ソープナッツとは

写真提供:KoKeBee

 

ソープナッツとは無患子(ムクロジ)という木になる「実」を乾燥させたものです。この実には「サポニン」という天然の界面活性剤が含まれています。この天然の界面活性剤を利用して、昔から洗浄剤として日本をはじめ、インドや中国などアジアの様々な国で使用されていました。

アトピーとソープナッツが教えてくれた自然と寄り添う意味

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私はもともとひどいアトピー性皮膚炎を患っており、30年以上のステロイド利用歴があります。40歳を過ぎて、少しづつステロイドが効かなくなってきたことに気がつき、薬に頼らないでお肌のケアをする方法がないものかと探し始め、ナチュラル生活にシフトしていきました。

最初に変えたのは洗濯洗浄剤です。衣服に洗浄剤が残留し、それが肌に触れて刺激を与えていると知りました。そこで、合成香料や蛍光剤の入った洗剤から、刺激の少ない洗剤に変え、その後、重曹で洗濯する生活にシフトして行きます。ただ、心のどこかで、重曹とは一体何なのか、どうやって作られているのか、本当に自然に優しいものなのか、という疑問を抱えたまま使用していたのです。

そんなときにシドニーのオーガニックショップでソープナッツと出会いました。木の実で洗濯ができるという今まで聞いたことのない商品に惹かれ、すぐに使用してみました。数粒のナッツを小袋に入れて、洗濯機に放り込むだけ。洗濯が終わったら小袋ごと干してまた翌日も使えるという、簡単で経済的な点も嬉しく、使い心地にもとても満足し、それからずっと使い続けています。

ソープナッツが磨いてくれた五感センサーと身体の変化

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洗濯洗剤をソープナッツに切り替えてから、アトピーが改善するまでには長い年月が必要でしたが、洗剤を変えたことですぐに気がついた変化は、衣服から化学的な香料の匂いが全くしなくなったということです。そのことで毎日がとても快適に過ごせるようになりました。

また、衣服を脱ぎ着するときの静電気が起こりにくくなり、痒みが改善してゆきました。そして肌の乾燥が改善して潤い、どんどんキレイになっていったのです。

そして、それまで使用していた合成洗剤の香料に敏感になりました。電車の中で隣に座る方の洗剤の香りに耐えられず、席を移動するようになりました。また何かの折に、合成洗剤で下着を洗濯する機会があった際に、その下着を着ると胸のあたりから合成洗剤の香りが顔まで立ち込めてきて気分が悪くなるほどでした。そしてそれは、何度ナチュラル洗剤で洗い直しても取りきれず、着た瞬間にその強烈な香りが漂うのを感じました。化学繊維の衣類は特に、繊維に化学薬品がコーティングされてしまうようで、何度洗い直しても匂いがとれません。結局、その下着は処分してしまいました。

このように、それまで日常的に香りに包まれていて鈍感になっていた感覚が、合成洗剤を止めることで研ぎ澄まされ、やめてみて初めてその強烈な刺激がわかるようになったのです。

ソープナッツの使い方

写真提供:KoKeBee

 

このようにお伝えすると、ぜひソープナッツを使ってみたい、と思う方も多いと思いますので、詳しい使い方をご紹介していきますね。

洗濯洗剤として

小さな袋かあるいは使い古しの靴下などにソープナッツを5、6粒入れて口を縛ります。
それを洗濯機に放り込んで、通常通りスイッチを入れるだけ。泡立ちがマイルドなため、すすぎも早くて簡単です。汚れを落とすだけではなく洗濯物を柔らかく洗い上げるため、柔軟剤も不要です。

洗濯物を干すときにソープナッツの小袋も一緒に干して乾かします。ドラム式の場合はそのまま衣服と一緒に乾燥させてください。乾燥させた小袋とソープナッツは翌日また繰り返し使えます。平均5、6回繰り返して使用できます。

袋を水に濡らして揉み込んでみて、ぶくぶくと泡が出なくなったら中身を処分し、新しいナッツと入れ替えましょう。

食器洗い、お掃除、洗髪に

お鍋に1リットルの水と30gほどのソープナッツを入れて煮出し、濃縮液をつくることもできます。濃縮液はそのまま洗濯に使うこともできますし、食器洗いや掃除に利用することもできます。この液をシャンプーにして洗髪する方もいます。

濃縮液にティーツリーの精油を数滴いれてよく振ってから洗濯に使うことで、雑菌の増殖を抑えられるため、生乾きの嫌なニオイも防げます。ティーツリーの香りは乾いた衣服に残りません。

気になるソープナッツの香りは?アレルギーは大丈夫?

ソープナッツは、ナッツと名前がついていますが実はベリー系の果実でです。ナッツではないので、ナッツアレルギーの方でも安心して利用できます。

適度に天日干しされたソープナッツの果実は、ほんのり甘酸っぱい香りがします。乾燥がすすんだ果実は干しシイタケのような独特の香りがしますが、どちらも洗浄力に大きな違いはありません。また、洗いあがった洗濯物にソープナッツの香りは残りません。

ソープナッツの使用期限と取り扱い方法は?

乾燥させたソープナッツ は2年以上の長期保存が可能ですが、水で戻した場合は時間を追うごとに雑菌が発生するため、1〜2日のうちに使い切ってください。

ソープナッツの購入方法

日本でソープナッツを販売しているお店はまだまだ少ないですが、ネットショップで購入できるようなので、ぜひ検索してみてください。また、プラスチックフリー生活を始めるためのネットショップ、KoKeBeeにてもお取り扱いしています。

ソープナッツで送る循環型生活

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ソープナッツでの洗浄は、香りをはじめ、合成化学薬品が衣類に残留しないため、お肌に優しく赤ちゃんやアトピー肌でお悩みの方にもおすすめです。何より、ただ木の実を干すだけ、そして使えなくなったら簡単に土に戻るという循環型生活(サステナブル)を実践できる点でも、個人が取り組むことのできるSDGs(2015年、国連サミットで採択された2030年までに達成するために掲げた持続可能な開発目標)達成のためのアクションになってくると思っています。

 

 

自然派石けんでは原材料に苛性ソーダという劇薬を使用しているものがほとんどです。また、重曹も同様に苛性ソーダ溶液や炭酸ガスを使用して作られています。苛性ソーダの原料は塩化ナトリウム、つまり「塩」なのですが、なぜか海で囲まれた島国であるはずの日本の塩の自給率はたったの10%。残りの90%つまり、年間約750万トンもの塩はメキシコとオーストラリアから購入し、工業利用しているのです。何のためにわざわざ輸入していて、誰が費用を負担しているのか、少し考える時間をとってみましょう。そして、苛性ソーダや重曹の製造過程で使われる燃料も水や空気の汚染原因となっていることを知っておくとよいでしょう。

 

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対するソープナッツのおもな原産国は、インドやインドネシアなどアジア各地です。太陽のエネルギーと自然の雨で育てられた無患子(ムクロジ)の木の実を、天日干しして商品化します。貧しい人たちに雇用を生み、自然から得られる太陽エネルギーを使って商品化し、使用後は簡単に生物分解されて土に還っていきます。

 

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この最小限のエネルギーしか利用しない商品づくりは、これからのサステナブルな世の中を作っていく上で重要なポイントとなってくるでしょう。SDGsは大きな企業が取り組む課題、一個人に世の中を変えていく力なんて無いと思っていたとしても、オーガニック生活を目指すあなたがソープナッツを使用することで、循環型社会を作っていくことができるのです。

 

 


日本では手に入らないオーガニック情報

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